セネガルとIT

今回は、セネガルで2年間環境教育隊員として活動していた社員より、「セネガルとIT」をお送りします。

筆者はIT未経験者なので、セネガルの暮らしを中心とした、IT事情をお届けできればと思います。

西アフリカの最西端に位置するセネガル共和国。首都はパリダカールラリーの終着地である、ダカールです。

セネガルは「テランガ」の国と呼ばれていますが、「テランガ」とは日本語で言う「おもてなし、親切」という意味です。

日本の「おもてなし」というよりは、何でも人と「分かち合う、分け合う」文化、という方がしっくりくる気がします。

近所を歩いていたら、「お茶飲んできなよ!」「ご飯食べていきなよ!」と毎日誘いがあるし、何か困ったことがあれば、近くの人が必ず助けてくれます。それは私が外国人だったからというわけではなく、セネガル人同士もそうやって生きています。

喜びも、悲しみも、楽しいことも、苦しいことも、分け合い分かち合う、そんな文化が私はとても好きです!

首都ダカールにあるルネッサンス像の展望台からの眺め。

セネガルで印象的だったことを箇条書きにしてみました。

・ご飯がおいしい。

・祝祭日が多い。

・音楽、ダンスが大好き

放し飼いの家畜だらけ。

・停電が多い。

・セネガル人はとってもおしゃれ!

・大人は最低でも1台は携帯電話を持っている。

書き出すときりがないほど、刺激的で、学びの多い2年間だったなぁと改めて思います。

今回は、この中からITに関連することをピックアップしていきます。

生意気だけど、よく遊んでもらった(あげた)近所の子どもたち。

・停電が多い

アフリカや途上国ではまだまだ電気の供給は安定しておらず、停電は日常茶飯事です。

首都ダカールは比較的安定していましたが、私が暮らしていた市(カオラック州の南に位置する地方都市)は、停電が頻繁に起こっていました。

停電が起こる原因は様々でしたが、ある時は電柱が、通過したトラックになぎ倒されて、電気がストップした、なんてこともありました。

ご近所一帯が停電になり、誰が直すかで揉め、ひと悶着ありましたが、数日後に無事に電気が戻ってきてくれて、ほっとしました・・・・。 

トラックの通過により、なぎ倒された電柱

電気が止まることで、仕事や生活に与える影響は大きく、 

▲停電が長時間続くと断水になることが多い。

▲電気ミシンを使っている洋服の仕立て屋さんは仕事ができない。

▲冷蔵庫冷凍庫の食品がだめになる。

▲役所、その他公共サービスの利用に制限がかかる。

▲電子送金サービスなどが利用できなくなる。

といったように、生活に大きな支障が出ます。

私自身は、電気のありがたみを知り、静寂さを知り、満天の星空の美しさに感動することもありましたが、1日の収入が生活に直結する人々の暮らしを見ると、そんなことを考えた自分が少し情けなくなりました。

電気の供給がもう少し安定し、生活に余裕ができ、今よりも人生の選択肢を多く持つことができる日がくることを、願うばかりです。

電気ミシンで洋服を縫う仕立て屋さん

・大人は最低でも1台は携帯電話を持っている。

ご飯を食べながら、What’upを確認

セネガルで驚いたことの1つは、携帯電話、スマートフォンの普及率です。

大人はもちろん、高校生以上の若者も1人1台は持っているという印象でした。

「最低でも1台」と表現するのは、スマートフォン + 電話専用の携帯電話 の2個持ちをしている人が多く、インターネットを使う方、通話をする方、と分けていました。

セネガルでは通話もインターネットもプリペイド式で、使う分だけ購入します。

日本のように、1年中ネットに繋がっている、なんて人には出会ったことはありません。

私の周りの友人たちは、500FCFA(約100円)で数時間分購入して使っている人が多かったです。

セネガルへ赴任した当初は、スマホばかり見ているセネガル人にあまり良い印象を持っていませんでしたが、セネガルで過ごすうちに、私自身もスマホを見る回数や通話する頻度も増えていました。

用事がなくても、「元気?調子はどう?」と、セネガル人のように連絡をとりあったり、

遠い日本にいる家族や友人ともリアルタイムで連絡をとったり・・・。

セネガルの人々にとっても、私にとっても、スマートフォンは大切なコミュニケーションツールということに気づき、必ずしも

スマホを使う = よくない とは限らない、と思うようになりました。

世界中、どこにいても、誰とでも繋がることができる

知りたいことがあれば、いつでも調べることができる。

何て便利なんでしょうか。

一方で、使い方によっては、悪いツールとして利用できてしまう、人を傷つけることもできる。

最近ではあまり良くない使い方を目にすることが多く、悲しくなります。。

1人1人が責任を持って、ポジティブな使い方をしていきたいですね。

家の屋上からの眺め。疲れた時は、景色や空を眺めて癒されていました。